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■賢い中古品の選び方 |
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[T] Vol.31 (発行:Oct.2008)
今回からは「賢い中古品の選び方」を考えてみたいと思います。カメラの歴史は1837年フランス人のダゲールによって発明された「ダゲレオタイプ」が最初とされ、それから170年以上経過し、近年になって変革期を向えています。それはデジタルカメラです。その勢いは凄まじいもので、銀塩カメラはいまやその追随を受けてついに逆転され消滅してしまう状況下にあります。
そこで今回のテーマ「賢い中古品の選び方(まだ銀塩が存続できると確信して)」としてご提案させていただこうと思います。慣れ親しんだカメラメーカーの機種が消えていくのは実に寂しい話です。メーカーも生き残りを考えた場合、デジタルへの転換は止むを得ないことかも知れませんが、我々の現実を見据えた場合、現状の市場で満たさなければならないことは明確な答えになってくると言うことを踏また上でご提案をお聞きください。今回はハッセルブラッドのボディに関して触れます。先ず製造年をチェックします。ハッセルは製造年をアルファベットの「V・H・P・I・C・T・U・R・E・S」で刻印されていて、これはV=1で、P=2と言った具合にS=0になり、つまり今年は「SR=08年」と言った具合に、ボディ後部のシリアル番号に刻印(年式により多少異なる)されています。
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Photo: E.Satoh |
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[U] Vol.32 (発行:Dec.2008)
ハッセルブラッドはご存知の通り、1000Fを起源とするフォーカルプレンシャッターカメラと、500Cを起源とするレンズシャッターカメラとに大きく分かれますが、今回はDr.V.ハッセルブラッド博士の考案によりデビューさせ、当時の世界を驚嘆させたフォーカルプレンシャッターカメラについて考えたいと思います。鳥類分野の権威である博士は研究のために一眼レフの高速シャッターを必要とするカメラが欲しかった。しかし世の中にはその様なカメラが存在しないことを知り、自分で作ってしまったのです。それが1000Fで、その後モデルチェンジを重ねながら最新の203FEに継承されましたが、そのモデルも現在は生産中止の末路。では何故こうなったのでしょうか。答えはこれらのカメラの共通点であるレンズシャッターより「非常にデリケート」な作りという事で、特に205TCC以降はその傾向にあるようです。
そこでクリックからの提案としては、これらのカメラが中古市場に存在するのであればそのカメラの状況によりますが、「慎重に」という冠が付きます。万一の場合には高額な修理代を覚悟しなければならなくなり、数ヶ月と言う期間も覚悟しなければなりませんので、要は簡単に手を出さないほうが賢明と言うことです。
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[V] Vol.33 (発行:May.2009)
今回の「賢い中古品の選び方」は500シリーズについて考えたいと思います。1957年(昭和32年)に発表された500Cは最速機能1/500秒と言うレンズシャッターモデルで登場しました。このモデルはストロボに全速同調することから、当時のプロカメラマンに絶大の支持を得て、その評判はアマチュアへと広がり現代に至るわけです。それは50年以上前に製造されたカメラに今のレンズなどが装着できるのであるから如何に基本コンセプトがしっかりしたものであったかということが言えるでしょう。
今回はその500シリーズについてご提案を申し上げます。現在製造ラインに乗っているのはこの500シリーズのみですが、この機種も何時かはストップするのは間違いなく、それはそれ程遠くないかも知れません。今後ハッセルブラッドを続けようとされる方は将来を見据えた中古市場での購入計画をお立てになっては如何でしょうか。それは自己防衛的なことになってしまいますが、現実に沿った賢い選択であることは事実です。なお中古品での最大の問題はメンテナンスを考えておかなければなりませんが、クリックでは会員の皆様がお困りの際には全てにおいて対応させていただくつもりです。ご安心ください。
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[W] Vol.34 (発行:Jul.2009)
今回の「賢い中古品の選び方」も更に掘り下げた500シリーズを考えたいと思います。現在製造されているには503CWですが、やはりこの機種が望遠レンズ使用時に起きるミラー切れ現象の機能から考えると一番優れていると考えられます。従って中古市場では503CWが503CXiや503CXより高値で取引されているのは事実です。
では果たしてCWだけを中古の対象として考えるべきなのでしょうか。答えは「NO」で、それは機能的に優れていても耐久性やその時代に使われた素材等を考慮した場合、決してCXiやCXを無視できないと言うことです。ましてやCXiやCXに慣れ親しんでいる方にはもう一台の「CXiやCXを」考えてはいかがでしょう。これも将来を見据えた自己防衛になりますが、中古市場が落ち込んでいる時期だけに「今が買い」なのです。この商品の今後を考えた場合、商材的観点からも市場の数が増えることは考えにくく、むしろ減少の一途を辿るのではないでしょうか。もちろんお求めになる前のチェックポイントとして、繰り返しになりますがメンテナンス体制が整っていることが大前提になってきます。
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[X] Vol.35 (発行:Dec.2009)
今回の「賢い中古品の選び方」はハッセルブラッドで最もポピュラーなレンズ(レンズシャッター)についてご提案します。フォーカルプレンカメラでデビューしたハッセルブラッドは、後にカールツァイス社製のレンズを採用することで一躍脚光を浴びることになるのですが、その時のレンズこそ「ストロボ日中シンクロ可能なシャッター内臓のCモデル」で、それからCFやCFi、CFEモデルとその対応形態を変えてモデルチェンジを重ねてまいりました。そして現在の中古市場はCFモデルが主流のようです。
そこで問題ですが、果たしてCモデルは過去のものにしてもいいのでしょうか。これも前回同様「NO」です。もちろんメンテナンスのことを考えると多額に投資は避けたいところですが、幸いに市場は安値で売買されていて、万一、故障したときの部品の問題が残るものの、現時点では何ら問題なく解決(修理可能)していますので心配なさそうです。見ているだけでも実に楽しいCモデルの今後は市場から姿を消す運命であることは明らかですから、今が「憧れだったあの時のレンズ」を入手する絶好のタイミングかも知れません。
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[Y] Vol.36 (発行:Mar.2010)
今回の「賢い中古品の選び方」はハッセルブラッドの全盛期の一角を担った高額なフォーカルプレンシャッターレンズについてご提案申し上げます。フォーカルプレンシャッター用レンズとレンズシャッター用レンズとの大きな違いは、フォーカルプレンの方が設計上シャッターを内蔵する必要がない為、明るいレンズが可能になり中判レンズにしては珍しいF2.0のプラナー110mmを始めとする大口径レンズ郡は、レンズシャッターに比べて1絞り〜2絞り位の明るさが実現できたのです。それはボディに内蔵されて1/2000秒の高速シャッターと相まってスナップ撮影などに期待されました。
そして現在のフォーカルプレンシャッター用レンズと言うとレンズ自体にシャッターが付いていない為に「CFE(シャッター内臓のフォーカルプランシャッター対応機種)」とは違い、価格的にも少々下落しています。と言うことは今が狙い目かも知れません。もちろんボディの確保が先決で、既にボディをお持ちの方は更なるシステムアップが可能となりますが、これも信頼あるお店でのご購入が最低の条件になってきますので念の為。
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[Z] Vol.37 (発行:Jul.2010)
今回の「賢い中古品の選び方」は、撮影する操作上で最も触れることとなる「フィルムマガジン」についてご提案申し上げます。昔は70mm映画用フィルムを切断して使うマガジン70や500といった製品が存在しましたが、現在ではかなり集約され、我々が通常消費しているポジフィルムも種類が限られてきています。それらの供給は今後の中古フィルムマガジン選びにも大きく関わってきますので、市場傾向を敏感に感じ取る必要があります。
さてフィルムマガジンの現在の中古市場では「220フィルム製造中止」の情報から220タイプが敬遠される傾向にありますが、それはまだまだ先のようです。今後は120タイプが主体になるのは事実ですが、これも下落傾向にあるので狙い目であることは間違いありません。では市場でのフィルムマガジン選びのポイントはと言うと「マガジンスライドを抜いて展示」されている店をお勧めします。マガジンスライドの挿入口にあるテレンプ(起毛材)が長時間の圧着で起毛効果を失い、そこからの光線漏れを避ける所謂「知っている店」なのです。また落下品にも注意が必要。チェックポイントはガラス上に内側を伏せて四隅の一辺が浮かなければ合格です。
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[[] Vol.38 (発行:Sep.2010)
今回の「賢い中古品の選び方」は露出計付きビューファインダーについて考えたいと思います。1970年前半に発表されたファインダー全体の平均露光を読み取る「メータープリズムファインダー(52051)」はCdSメーターによるモデルで当時は高価なものとして取引され、そのモデルは現在でも中古市場に存在するようです。そして約40年の経過の中で様々なモデルチェンジを重ねながら現在に至り、残念ですが、現時点では何も製造されていない末路となりました。そのメータープリズムファインダーの発売当初はユーザー個々の視度調整(接眼レンズ等)で、その対応に的確さを欠ける状態が続き、1990年代に出た視度調整機構内蔵モデルPME45・90(LCDディスプレイタイプ)からは安定した支持を得られるようになったようです。従いまして中古市場での狙い眼はその2機種に絞られます。PME45に関しては中古市場での殆ど見られない状態ですが、PME90はあるようですから検討対象としてお勧めいたします。なおこのモデルの前に製造していたPME51等なども価格が下がっていますので無視出来ない存在です。新品がない以上、程度の良い中古品で自己防衛作を図っては如何でしょうか。
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[\] Vol.39 (発行:Dec.2010)
前回の「賢い中古品の選び方Y」でご提案しましたのが「2種類(PME45/90)のハッセルブラッド露出計付きプリズムビューファインダー」はが狙い目であるということでしたが、今回の「賢い中古品の選び方」は各レンズの持つ固有の焦点距離を伸ばしてくれる「テレコンバーター」についてのご提案をします。昔、ハッセルブラッドにはテレコンが存在しませんでした。そんな中で突然、国産某メーカーがハッセルブラッド専用のテレコンを発売したのです。そしてそれが裁判沙汰にまで発展してしまったことをご存知の方もあると存じます。その後ハッセルブラッドはツァィスの協力を得て「2倍のムター」を発表することになるのですが、それも長続きしませんでした。それは当時の価格面で非常に高価なものになっていたのが要因だったかも知れません。それからのハッセルブラッドは日本の某メーカーとの協力で数種類のテレコンを出し、現在は全モデルが製造中止になりました。テレコンはそれによって描写力が確実に落ちますので、本音は使いたくないものです、しかし画面の構成上、止むを得ずその助けを求めてしまいます。でも「百歩譲って」使うとして何を探したら良いのでしょうか。それは携帯性の良い「1.4倍」に軍配が挙りそうです。「2倍」のムターやコンバーターは今のところ人気が上がっていません。なおテレコンには機械的トラブルになる要素は殆ど入ってない為、外装の傷チェック程度で良さそうです。
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[]] Vol.40 (発行:Jan.2011)
前回の「賢い中古品の選び方\」では「ハッセルブラッドのテレコンは1.4倍のモデルが狙い目です」と言うことを書きました。今回の「賢い中古品の選び方」は、アクセサリー中でも代表格の「クローズアップアクセサリー」についてご提案申し上げます。ハッセルブラッドのクローズアップアクセサリーは、他メーカー同様にレンズとフィルム面の間に置かれる「ベローズ(蛇腹装置)又はエクステンションチューブ(接写リング)」とフィルター同様にレンズと被写体の間に置かれる「プロクサー(クローズアップレンズ)」の2種類に分かれます。それは持ち運びに難があるベローズと、手軽にクローズアップが楽しめるチューブ・プロクサークローズアップという分け方もあるかと思いますが、中古市場におけるクローズアップの位置づけは一時のブームが去ったこともあり、最近ではそれ程騒がれなくなってきました。と言うことは「価格が下落傾向」にあるのです。そのアップ率によってはまったく異次元の世界に入れるツールとして古くから重宝されてきたクローズアップですが、高嶺の花の状況が続いていました「ハッセルブラッドクローズアップアクセサリーは正に今が狙い目」であることは間違いなさそうです。その狙い目は、本格的に挑戦しようという方はベローズ装置でなり、風景写真のついでに足元の草花を、と言う程度の方はチューブ・プロクサーを探すことをお勧めします。
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[]‐U] Vol.41 (発行:Apr.2011)
前回の「賢い中古品の選び方]」では「ハッセルブラッドにおけるクローズアップのブームが去り人気薄の今が狙い目です」と書きました。今回の「賢い中古品の選び方」はメーカー製造中止のアクセサリーについてご提案で、これはどちらかと言えば「選び方」ではなく、その「対処」と言った方が良いかも知れません。現在のハッセルブラッドは考えられないものが製造ラインから次々と消えています。例えば各キャップ類や各フード類、また電池(EL用)等、必ず使わなければならないものがないのです。さてどうしたら良いのでしょうか。時期を見てゆっくり程度の良い中古品を探すとして、現実を踏まえ、現時点において考えられるのは「急場しのぎ」の手段でしかなさそうです。これは純正品にこだわっている方には興味のない話ですが、各キャップ類や各フード類には「ハッセルブラッド用」として国産品が出回っています。レンズキャップが着いてなくてレンズ面に傷を負わせたり、リヤプロテクティブカバーが着いてなくてバックシャッターに何らかの悪影響を及ぼすことも考えると、こだわっている場合ではないと思います。また500EL/Mをご使用の方には、肝心要の電池がないのでは話になりません。これは急場しのぎということではなく、手軽に入手できる市販の電池(6V/CR-P2リチューム)を使用する国産アダプターが売られていますのでお勧め致します。
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[]‐V] Vol.42 (発行:Aug.2011)
前回の「賢い中古品の選び方]-U」では「ハッセルブラッド純正アクセサリー製造中止に伴う対策を国産対応アクセサリーで補いましょう」と書きました。今回の「賢い中古品の選び方」はこれまた人気が低迷している「ソフター」についてご提案申し上げたいと思います。
一昔前は標準セット(プラナー80mm/F2.8+マガジンA12)を購入すると同時にフィルターとフードを揃えるのは当たり前ですが、それに必ずと言っても過言ではないくらい「ソフター(主に2型)」を「三種の神器」の一角として買い求める方が多くみられました。このソフターはご存じのポートレート写真用などによく用いられるアクセサリーですが、もっと昔はソフターと同様の効果がある軟焦点レンズが存在したのですから、この種のジャンルには奥深いものがあります。ある時期(大昔のモノクロ時代ですが・・・)には一世を風靡したときさえあります。
では何故、今ソフターがもてはやされないのでしょうか。答えは我々の被写体がポートレートから風景に移って来ているという現象がこのような結果を招いていると考えられます。
そこでご提案です。ポートレートは難しいので撮らないという方には、風景でのソフター使用をお勧めいたします。上手く使えば幻想的な作品を作り上げることが出来ます。それは一歩も二歩もグレードの高い作品になる筈です。次回(43号/2011年12月発行)のクリックからの提案は「賢い中古品の選び方]-W(アクセサリーについて/内容未定)」を予定しておりますので、どうぞご期待下さい。
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[]‐W] Vol.43 (発行:Jan.2012)
前回の「賢い中古品の選び方]-V」では「ソフター(ソフトフィルター)は人物写真だけではなく、風景写真でも使いたい」と 書きました。今回の「賢い中古品の選び方」は各種フィルターについてご提案申し上げたいと思います。
先ずはフィルターの一般的な扱われ方(考え方)についてのご提案です。レンズ保護の意味合いで用いられるスカイライト等のフィルターですが、さてそれは如何なものでしょうか。「高価で完璧なまでに完成されたレンズの上に数千円のガラスを重ね合わせるのですから・・・」という観点からの場合は「もったいない」という発想になりませんか。特にハッセルブラッドのスーパーアクロマートなどのレンズには通常撮影の場合、フィルターは不必要ではないかと思います。次にフィルターを使用する上でもっとも重要な一つにフィルムの種類が挙げられます。カメラマンはそのフィルムの特性を活かしながら意図(効果)を画面に反映させるCCやLB、NDといったフィルターの特性も知る必要があるのです。昨今のデジカメではカメラが勝手に調整してくれるから「フィルターワーク」といった言葉が死語に聞こえそうですが、これらを駆使してこそ本当の作画創りになるのではと思います。
そこでご提案です。ハッセルブラッド純正フィルターの中古市場は、現在底値に近く、それ程頻繁に使わない種類でも安価に手に入りますから、今でしたらお勧めのアイテムです。
次回(44号/2012年6月発行)のクリックからの提案は「賢い中古品の選び方]-X(アクセサリーについて/内容未定)」を予定しておりますので、どうぞご期待下さい。
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[]‐X] Vol.44 (発行:Jun.2012)
前回の「賢い中古品の選び方X-W」では「フィルムの特性を活かすフィルターワークをしましょう」とご提案申し上げましたが、今回の「賢い中古品の選び方」はレンズシェード(レンズフード)について考えたいと思います。
様々な光が射すネィチャー写真においてのレンズシェードは非常に重要な役割を担っていますが、意外に「軽視」する方が見受けられます。何故でしょうか。一番は「面倒!」ということが理由らしいですが、フレアを極力抑えてくれるレンズシェードは必ず装着してください。しかもそのレンズの焦点距離にあったものでないと効果が半減します。特にレンズ構成枚数が多い広角系は絶対です。折角の作品も余計に光が入って台無しになりかねません。撮影に挑む前の準備段階で最低限の機材ラインナップにレンズシェードが存在することを再認識してください。
では中古市場でのレンズシェードというと、現在では純正製品でもお求め易くなっています。特に効果絶大の蛇腹タイプが当初価格の2〜3割程度で入手可能で狙い目ですが、かさ張るからと敬遠される方には最低でも単独タイプのものを。何れにせよ軒並み「製造中止」に見舞われているのですから、無くならないうちに入手することをお勧めいたします。自己防衛のためにも。
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[]‐Y] Vol.45 (発行:Jan.2013)
前回の「賢い中古品の選び方X-X」では「プロシェードの効果は絶大ですのでご使用いただきたいのですが、最低でもそのレンズに合ったレンズシェードをご使用ください」とご提案申し上げました。今回の「賢い中古品の選び方」はフラッシュ(ストロボ)について考えたいと思います。
ハッセルブラッドは過去に様々なタイプのフラッシュを出してきました。発売当時は国産ストロボ価格の倍以上しておりましたから躊躇される方もいらしたかと思います。プロフラッシュ4504やマクロフラッシュユニット、D-フラッシュ40等ドイツのメッツ社(メカブリッツ)との技術提供により共同開発されたフラッシュはSCA390を採用してTTL自動調光が可能になったシステムで、同時期に発売されるハッセルブラッド本体にもTTLシンクロコネクターソケットを装備され、その以降に出されたモデル(本体)には安心して適正光量を得ることが出来たのです。では現在の中古市場はどうでしょう。答えは一万円から2万円の範囲で取引されているのが現状です。それは新品同様でも発売当初価格の1〜3割程度で入手可能で狙い目ではないかと存じます。これもプロシェード同様、大きいから敬遠されがちですが、「純正ですから将来の為にも」と思います。
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[]‐Z] Vol.46 (発行:Aug.2013)
前回の「賢い中古品の選び方X-X」では「ハッセルブラッドの純正フラッシュ(ストロボ)は現在底値を推移しているので、狙い目」とご提案申し上げました。今回の「賢い中古品の選び方」は現時点での市場傾向について考えたいと思います。
デジタル全盛にあって銀塩(Vシリーズ)のハッセルブラッド中古品に人気が戻ってきたようです。メーカーの製造中止発表がそれに拍車をかけたようですが、特に若年層の女性に増加傾向があると言うから驚きです。上から覗く新しい(?)感覚に引かれるようで、価格も手に届く範囲に下がってきた現実が購買意欲をくすぐっていると分析されます。そのファッション感覚でのハッセルブラッドは、圧倒的に80ミリの標準セットに集中しているようです。広角や望遠レンズは極端に避ける傾向になっているらしく、つまりハッセルブラッド・レンズでの三種の神器は(50ミリ/150ミリ/250ミリ)となっていましたが、これ等の傾向が完全に崩れ去ったようです。しかも超広角や超望遠系に至っては見向きもしないことから市場価格に影響をもたらし、特に持ち運びに不便な超望遠レンズが安価で取引されているのが現状です。それは当時60〜80万円で取引されていたレンズが、結構程度の良いものでも10万円を切る価格帯を推移しているのですから驚きです。と言う事は、あの憧れの超望遠レンズが手近に迫ってきたと言う事にもなります。
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[]‐VIII] Vol.47 (発行:Dec.2013)
前号では、若年層でも気軽に手の届く存在の傾向になっている中古のハッセルブラッドと言いましたが、今回は皆様も気になさっていると思われる大判デジタルバックの現況について分析します。現在、シェア率トップのフェーズワンや、日本に直売店を設けたハッセルブラッドなどのデジタルカメラやデジタルバックが販売を繰り広げており、それらの新品は普通乗用車一台分の価格帯で推移しています。金額だけ見ると簡単には購入を考えにくい存在ではありますが、バックだけであれば考え方によっては、購入対象になり得るかも知れません。それでも100万円を超える買い物となり、躊躇する存在ですから、失敗しない為にもじっくりと考えたいところです。
そこで考えるのが中古品です。中古市場には大量に存在しませんが、何らかの理由で放出されたものがあるようです。但し、簡単に手を出せないのがデジタルの弱みで、アナログ式であれば素人でもある程度判断ポイントはあるのですが、デジタルは見えないだけに慎重にしたい。メーカーで再生されたものなどは信用できるものの、出来れば専門店でのご購入をお勧め致します。ネット販売等は気を付けないと酷い目に遭う事もあると想定された方が賢明でしょう。
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[]‐IX] Vol.48 (発行:Jun.2014)
前回の「賢い中古品の選び方]-[」では「高額の大判デジタルバックはデータバックから検討なさってはいかがでしょうか」とご提案申し上げました。今回はその「デジタルとアナログ」の現時点での市場傾向について考えたいと思います。
本紙46号でも書かせていただきましたが、急激なデジタル嗜好に傾いた中古市場が銀塩の巻き返しになっているようです。「これでもか」と言った機能が搭載されたデジタルカメラは、電気屋さん(電機メーカー)の意向がたくさん盛り込まれていますので、元来のシンプルであったアナログカメラからは大分掛け離れたものが、世の中に出回っている状況です。確かに機能を全て把握すればこれほど便利なものはありません。フィルム代や現像代を考えたら経済的であるのは歴然で、パソコンなどのハード入れますと初期投資が高額になりますが、将来的なコストカットが計れると考えられます。しかしその描写力に疑問視される傾向が出てきており、「所詮デジタルだから」と括ってしまえばそれまでですが、銀塩を熟知された方々がデジタルに物足りなさを感じ、再び銀塩に戻る傾向にあるのです。昔とった杵柄こそが楽しい写真の醍醐味で、大判デジタルになれば、不慣れなパソコンを習得しなければと悩まされますので、品薄になりつつある中古を考えてみては如何でしょうか。突然のフィルム製造中止は考え難いと考えます。
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[]‐X] Vol.49 (発行:Dec.2014)
前回の「賢い中古品の選び方]-\」では「煩雑なデジタルから銀塩に戻る傾向がある」と言うことを書かせていただきました。今回はその「銀塩カメラ(ハッセルブラッドなどの高級機)」の中古市場傾向と、その対処について考えたいと思います。経済大国日本も中国に抜かれ3位に後退し、今後の行く末は不透明な将来像を強いられて、ここにきて政府の巻返し策が功を奏するのを期待する以外ない現状に遭遇しています。また円安傾向の為替でもその影響が如実に現れ、輸入品の買い控えや海外旅行の安価な渡航先変更など、現実を見据えた庶民の実態がマスコミ等で伝えられています。では我々写真業界の中古市場にはどのような影響が出てきているかと言うと、見直されつつある銀塩機材が商品不足の傾向になっているようで、特に常時品薄にある商品は完全にショーケースから消え去っています。一時はダブついていた商品もいつの間にか無くなっている現象が現在続いているのです。ではどうしてこのような現象になっているのでしょうか。答えは簡単で、中国人よる日本の中古市場への介入が品薄と価格上昇要因と考えられます。その中国の台頭により、小さな日本のしかも更に小さい中古市場にまで影響が出ています。珊瑚問題ではありませんが、限りある中古機材ですから、供給されないものを需要だけが独り歩きする現象は将来に課題が残ります。
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[Part-II@} Vol.50 (発行:Jul.2015)
前回の「賢い中古品の選び方]-]」では「経済発展を遂げる中国人による買い占めの影響で品薄傾向のある」と言うことを書かせていただきました。今回はその現象を踏まえての中古市場傾向と、その対処について考えたいと思います。今やファッション感覚で中判カメラを持つ若い女性たちが増えているデータがあるようですが、それは中古品の価格帯が低い水準で推移していたのが要因に考えられます。特にハッセルブラッド等のカメラのファインダーは上から覗くので、その特殊性に魅力を感じているらしく、様々な場所でそのような光景に出くわします。我々の感覚からすると、まだ様になっていないぎこちなさが、逆に不思議な新鮮味を感じます。そんな傾向にある中古市場ですが、それでも全くないと言うことでもありませんので、市場にあるものを如何に吟味するかではないでしょうか。ネットオークションでの失敗談はよく聞きますが、安さに気をとられて肝心の機材が粗悪品では大損です。
結論ですが、品薄な現況を充分に理解してお目当ての中古品を探す失敗しない方法は次の通りです。@:信用できる店を探す A:品物の状態を見極める B:メンテナンス対応が可能かを調べる C:的確な価格設定等が挙げられます。要は特別なことをするのでなく、常識的な範囲で対処しても十分にお目当ての中古品を探すことが出来ます。是非、実践して下さい。
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[Part-IIA} Vol.51 (発行:Jan.2016)
前回の「賢い中古品の選び方Part-II/@」では「品薄な現状を踏まえ、常識的な範囲で探しても十分に見つかる可能性が高い」と言うことを書かせていただきました。今回もそれらを加味して中古市場の傾向と、その対処について考えたいと思います。例えば、ハッセルブラッドCタイプや初期のCFタイプ等の古いレンズは少なくとも製造されて30〜40年が経っておりますので、確実にシャッター等の機能は低下しています。それはシャッターをスムースに動かすグリスが固まったり、絞り羽根にそのグリスがしみだして、絞り機能に不具合を生じさせると言ったトラブルの確率が非常に高く、更にヘリコイドも硬くなってしまいます。また、500CMや503CXなどの古いカメラも同様に、カメラのハウジング内パルパス材が乾燥等の原因でひび割れると言った眼に見える範囲の症状が出てきます。それらが確認された場合は当然のことながら他にも何らかの不具合が生じているか、近い将来必ず機能停止に追い込まれるのは確実の状況なのです。従いまして「美品」とか「A級品」等の表示があっても、先ずは動きをチェックすることが非常に大事なポイントとなってきます。見た眼に気をとられて肝心の機能確認を疎かにしてはならないことを十分肝に銘じておく必要があります。それに中古品を扱う店や会社では販売前にメンテナンスを施しているところもあるようですから、その選択も重要なポイントの一つかも知れません。
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[Part-IIB} Vol.52 (発行:Jul.2016)
前回の「賢い中古品の選び方Part-II/A」では「見た目にとらわれず、機能重視でメンテナンス可能な店や会社を選ぶ」と言うことを書かせていただきました。今回も中古市場において失敗しないご購入の方法を模索していきたいと考えたいと思います。現在、通常のハッセルブラッド・マガジンに使用できる市販のフィルムは2種類で、12枚撮りの120タイプに対応するマガジンA12と、24枚撮りの220タイプに対応するマガジンA24がありますが、このことを踏まえて今後の対応について考えます。あの富士フイルム社が既に220タイプの製造中止を発表したことはご存じのことと思います。当然のことながら、発表と同時にはマガジン24の中古市場価格が下落しました。と同時にマガジン12タイプが、にわかに品薄状態になったのはごく自然の流れでしょう。しかし富士フイルム社は220タイプのフィルムを出来るだけ長く製造しますとの案内をしていて、それが数ヶ月延びている状況が現在も続いております。そしてフィルムの使用期限は約1年半くらいはありますので、製造中止間近に購入して冷蔵庫等で的確な保存をすれば3年くらいは問題ない(正式ではありませんが現像所のコメントです)のと情報も存在します。要はフレッシュなフィルムを購入すればそれなりに安心出来ることになり、現在、底値を推移しているマガジン24はその期間使用できることになる訳で、購入すべきであることをご提案します。
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[Part-IIC} Vol.53 (発行:Jan.2017)
前回の「賢い中古品の選び方Part-II/B」では「フィルムの提供が続いている現状を踏まえた場合、底値である220フィルムマガジンは買い時です。」と言うことを書かせていただきました。今回も中古市場において失敗しないご購入の方法を模索していきたいと思います。さて「中国のバブルが弾けた!」とささやき始められた時期がいつ頃であったかは定かではありませんが、一時の「中国人による買いあさり現象(?)」が鳴りをひそめてしまったようです。現に東京で行われている中古市での販売台数が例年と比較して落ち込んでいるとの情報も入っており、中国人の所謂「バイヤー」の数も減ってきていると聞いております。こんなことですから、今までは「購入を考えている内になくなってしまう」と言った現象が少なくなってきますので、ご購入を予定されている方には嬉しい事態。特に銀塩機材は製造されてなく、中古品のみの選択肢が限られ切実な状況下にありましたので、憧れだった機材が安価で身近なものになってきています。そこでご購入に際しての注意事項は、今盛んに行われている「ネットオークション」が挙げられます。現物の情報が不十分であることと、経年による劣化は詳しく表記されていないと見受けられますので、慎重になってください。出来れば信用できるメンテナンスの行き届いた販売店を選ぶことが最大のポイントでしょう。
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[Part-IID} Vol.54 (発行:Aug.2017)
前回の「賢い中古品の選び方Part-II/C」では「中国人による爆買い現象が鳴りを潜めているのでご購入し易くなっていることと、ネットオークションによる入手はリスクが高いので慎重に」と言うことを書かせていただきました。今回も中古市場において失敗しないご購入の方法を模索していきたいと思います。最近、「ハッセルブラッドのマガジンを安く買ったのだが、直ぐ壊れてしまい、買った値段より高い修理代が掛った」との事をよく聞きます。それは外見上きれいにみえても、機械内部の見えない部分がグリス等の経年劣化によるものですので、一般の方には未知の領域に近いものがあるでしょう。特にローラー部の回転が堅くて鈍く、高い金属音がする場合は完全にその症状にあります。また長い間、マガジンスライドを挿入していたために起こる「光線漏れ」も如実に表れる現象として挙げられます。これはテレンプと称する起毛形状の布が、長年スライドに押しやられて起毛が寝てしまい、そこから光が漏れてしまうものです。出来ればこれらのことを事前にクリアされているか、症状が起きたら即座にケアしてくれるまたは、フォローしてくれるお店を選択するのが賢い選び方になってくるでしょう。なお、ネットオークションにおける表記を全面的に信用してはいけません。出品者がその出展物に対してどの程度の知識があるかは、皆目見当が付きませんので、ある程度疑って掛らないと高い買い物になってしまいます。
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[Part-IIE} Vol.55 (発行:Jan.2018)
前回の「賢い中古品の選び方Part-II/D」では「ハッセルブラッドの中古マガジンはグリス等の経年劣化によりメンテナンス費用を考慮して下さい」と言うことを書かせていただきました。今回は「ハッセルブラッド・ビューファインダー」を模索していきます。ハッセルブラッド・露出計内蔵ビューファインダーには大きく二種類に分かれます。それは前期の中央部重点測光でEV値が表示される「PME5等」と、後期の入射光ドームセンサー及びプログラミングシステム搭載の「PME45/90」です。今回はそれらの中古品としての簡単なポイント(見極め方)についてです。前期のものによく見られる現象は、測光値が流れるように点滅して一定表示しないことです。これも経年劣化により「測光値の基板と設定ダイヤルの接点に膜が張り絶縁になっている」ということですので、簡単に言うとその接点をアルコール等で洗浄すれば問題は解決しますが、分解は熟練技術者へお願いします。また後期についてはファインダー内LCD表示が暗くて見難いと言う現象が見受けられます。これは簡単に言って「単純に製造上の欠陥」ですので、現在の修理技術では対応外になります。特に製造が新しいものほどその傾向が高く、購入をご検討されている方はお気を付ける最大のポイントとなってきます。
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