とします。その時のカメラマンはどのように対応しますでしょうか。前回も言ったように美しい風景は万人の共有物です。しかし、夢中になっているカメラマンはつい言ってはならないとこを発してしまうのです。その共有物が「ファインダーの中は自分だけのもの」と考えている方があるようです。我々カメラマンはよく観光地に被写体を探し求めます。一本の桜に一日十数万人の人が訪れる昨今の現象を考えると、誰も訪れることのなかったところに一枚の写真が観光客を呼んでしまったかもしれません。しかしこんな平和な世の中ですから「風景は我々カメラマンだけのものではない」ということを意識しながら、ともに楽しく素晴らしい写真の世界が体験できるよう協力しあおうではありませんか。
[V] Vol.6より抜粋 (発行: Jun. 2003)
さて、今回は撮影におけるカメラマンのマナーについてです。東京山手線に、いや日本国中どの電車に乗っても同じと思いますが、決まったように「車内での携帯電話ご使用はご遠慮下さい。」というアナウンスが流れます。そして「マナーモードにして下さい。」「心臓ペースメーカーに・・・。」等々うんざりします。が、しかしです。その人は聞こえてないのではないでしょうか?そのアナウンスの下で涼しい顔して、しかもいい大人が大声で!肩から力が抜けます。それは「皆しているじゃないの! 私一人が守っても・・・。」決まって答えが返ってきそうです。そこでそんな「通称:ジコチュウ」の多い昨今にある事実を踏まえて、我々写真愛好家の方々に目を向けてみると、知らず知らずのうちに「そのジコチュウ」になっているようです。素晴らしい被写体に対峙して夢中でシャッターを押し続ける醍醐味は、写真を愛するもののみが知る自分だけの陶酔に浸る瞬間ですが、このような状態にあるときは得てして自分を見失うのです。我クラブのメンバーの方には殆ど見ることが出来ないのですが、例えば無意識のうちにフィルム空き箱や開封シールなどを落としたり、平気で立入禁止のロープを越えたりしまうこともあります。ある小学生が書いた中身の入った清涼飲料水を電車の中に捨ててあるポスターのキャッチコピーが「家の中でも捨てるのですか?」とありました。皆が最低のマナーを守ることにより、写真という楽しい趣味の世界を謳歌することが出来るのです。
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